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4月10日から18日までインドを訪問してきました。
今回の目的は、1月に業務提携を行なったPlural TechnologyさんのPune本社とHyderabad支社の訪問とインドIT事情の視察です。
初日にPlural さんのHyderabad支社を訪問し、インドと日本の文化の紹介、Pluralさんのサービス実績の紹介と、オフショア開発のPoCの進め方、今後の営業戦略について確認を行いました。
その後、ITインキュベーションセンターであるT-Hubと、ManufacturedインキュベーションセンターであるT-Worksを訪問しました。
どちらも、アイデアを提供して、ここでPoCで試作を行うような環境でもあるとの事でした。
2日目は、IIT(Indian Institutes of Technology インド工科大学)ハイデラバード校を訪問しました。
IITは国内に23校を有するトップの国立大学で、卒業生にはGoogleやMicrosoftの現CEOがいます。
まずは、IIT-Hで唯一の日本人教授である片岡准教授を訪問し、ブロックチェーンを活用したシステムのお話などを伺いました。
次に、医療関係の研究をしている3名の教授とムーティ学長を訪問しました。
とにかく先進的で多様性を重んじる校風に、イノベーションが湧き出る感覚をイメージしました。
その後、Suzuki Inovation Centerを訪問しましたが、イノベーションチームは地方の課題を発見し、そのアイデアから問題を解決するプロトタイプを作成しているとの事で、フィッシュファーミングの例を見せて頂きましたが、自動車とは関係ない自由な発想が素晴らしいと思いました。
★IIT紹介ビデオ
https://youtu.be/xe3D8ofy8Ug
3日目は、Urban kisaanの実験場を訪問しました。水耕栽培のスタートアップとして資金調達して実証実験を行っており、野菜やハーブなどをサラダボウルとしてネット販売し、注文から宅配まで実現しています。
LEDライトによる光や風の有無など条件を変えたり、水・ココナッツの皮・土により栽培し、比較を行っています。
レタス、オクラ、ナス、芽キャベツ、トマト、米、などを栽培しています。
弊社も細々と水耕栽培をスタートしているので、とても参考になり継続する意欲が湧きました。
4日目は、Pluralさんの Pune本社を訪問しました。
Pluralさんが開発しているIoTシステムについてプレゼン頂きました。
あわせて、管理部門の顔合わせにて、お互いの国の現状や会社の特徴について話し合いを行いました。
その後、Pluralさんのクライアントを訪問し、最後にPushkaraj Group の 会長さんを訪問しました。
世界17ヵ国に事業拠点を持ち、自動車、エンジニアリング産業など、様々なメーカに対応する多面的なグループで、とても親日家で、突然の訪問にも関わらず大歓迎して頂きまた。
最終日には、三桜工業India(Gurugram)を訪問し、PLM導入の可能性について情報交換を行いました。
土曜日曜の2日間はNewDelhiとAgra観光しました。
NewDelhi観光
★クトゥブ・ミナール(Qutub Minar)
・世界で1番高いミナレットで、高さはなんと72.5m
・12世紀に造られた存在感のある尖塔と周りの建築物は1993年に世界遺産に登録
・インドで最も古いイスラム遺跡群
<Impression>
古い建造物がそのまま残っていてギリシャを想わせる雰囲気あり!
★ロータステンプル(Lotus Temple)
・蓮の花の形をしており、世界中に建てられた 7 つの主要なバハイ寺院の最後の寺院
<Impression>
スケールがでかい!
靴を脱いで参拝するので足が焼ける
★ラージ・ガード(Raj Ghat)
・インド独立運動の指導者・マハトマ・ガンジーが火葬された場所として慰霊碑が置かれる
・台座にはガンジーが最後に残したヘー・ラーム(おお、神よ!)という言葉が刻まれる
・近隣に国立ガンジー博物館があり、愛用していた私物や書斎、写真パネルなどを展示
<Impression>
インドは1947年にイギリスから独立して75年
日本ではガンジーが有名だが、インドでは独立運動の指導者たちは皆ヒーローである
★スワミナラヤン アクシャルダム寺院(Swaminarayan Akshardham Temple)
・世界一大きなヒンドゥー教寺院としてギネス登録
・植物や動物、神々の彫刻が施された石造の寺院は砂岩や大理石を使用するなど、建築には鉄やコンクリートが使用されていない
<Impression>
スケールがでかい!
夜にはライトアップや噴水ショーなどもあるらいい
Agra観光
★タージ・マハル(Taj Mahal)
・ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンの妃ムムターズ・マハルの墓廟
・総大理石でインド・イスラム文化の代表的な建築物、1983年世界遺産に登録
・一級の建築家と工芸家を含む2万人の労働力を投入し、22年の歳月をかけて1653年に完成
<Impression>
シンメトリーな庭園と建造物も彫刻の美しさも圧巻でした!
前日にニューデリーからアグラに3時間かけて移動し近くのホテルに宿泊、朝6時に訪問
日中は42度の灼熱なので、朝か夕方がオススメ!
<インドについて>
インドはインダス文明に遡ると5,000年の歴史を有する。
人口は14.28億人で世界1位に、中国が22年に減少に転じたがインドは60年代まで増加予想。
インドの年齢の中央値は27.6歳、日本は48.4歳。
GDPは22年6.7%成長で中国を上回り英国抜き5位に、27年に日印のGDPが逆転する見込み。
面積は世界7位。
宗教はヒンドゥー教徒が最も多く、ムスリム(イスラム教徒)、シーク教徒がこれに次ぐ。
カースト制度による差別はインド憲法で禁止されているが、現在も農村部では影響は残る。
公用語はヒンディー語だが、他にインド憲法で公認されている言語が21ある。英語は第二言語として早くから教育でも使用されている。
北インド平野では5月が最も気温が高く45℃を超すこともある。特に4月から6月は酷暑となる。7月から9月は雨季だが1時間位の激しい雨が降る程度。
南インドは年中暑いが年間を通しての気温差は少なく、低くて20℃超、普段は30 - 35℃程度。6月から9月の雨季は激しい豪雨に見舞われる。
<激変するインド IT 業界とイノベーション>
慶應義塾大学 SFC 研究所上席所員の武鑓さんのレポートから抜粋
https://gakkai.sfc.keio.ac.jp/journal/.assets/SFCJ21-2-04.pdf
現在のインドIT産業の規模は、2000年には80億ドルだった売上が 2020年には1,910 億ドルと約 24 倍にも拡大している。インドの名目 GDP は 20 年間で約 6 倍に拡大しているが、それをはるかに上回る成長ぶりである。その約 8 割の 1,470 億ドルは海外からの受注である。すなわち、世界を相手にしたグローバル・ビジネスである。
コロナ禍も拡大を続けており、2025 年までに 3,000 〜3,500 億ドルへ成長すると予測されている。
スマートフォンの急速な普及とともに、インドのデジタル化も加速している。その背景として、世界のデジタル技術を取り込み成長するインド IT 業界の存在や、スマートフォンを活用した様々なサービスを提供するスタートアップ企業の登場、さらにはインド政府の「デジタル・インディア」政策の影響も大きい。その中でも、「デジタル ID システム-アーダール(Aadhaar)」や、「インディア・スタック(India Stack)」は注目に値する。
インドは、文化、宗教、言語、食事、貧富など想像を超える多様性に富んだ国である。そのため、社会的な課題や問題は山積で、それを解決するにはインフラやコストの制約も多い。一方で、最先端の IT・デジタル技術を獲得している IT 業界や、それを支える高度 IT 人材が多数存在し、その中には起業家精神を持った人材も多く、スタートアップ企業も急増している。インドでの課題解決は、世界、特に他の新興国の課題解決に貢献する可能性が高く、インドはイノベーション大国に変貌しつつあると言える。
「なぜ世界トップにインド出身者」
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/04/25/30980.html